ドキュメンタリー「証言」の主人公:前中国国家水泳代表選手―黄曉敏氏
【韓国釜山=美浄】第二回神州国際映画祭が11月29、30日、韓国・釜山で開らかれる。多数の新作がエントリーした今回の映画祭は昨年、米国ワシントン DCで開かれた第一回より内容はもっと豊富になった。「人権」をテーマとし、社会の正義を反映した映画、中国共産党の罪悪を暴露あるいは反人類の迫害に反対する映画など10数本が上映される予定。中国の水泳名将だった黄暁敏選手の韓国生活をカメラに収めた権ソンヨブ監督のドキュメンタリー映画「証言」は注目に値する作品の一つ。主人公の黄曉敏氏と権ソンヨブ監督は映画祭前の忙しい中、インタビューに応じてくれた。

中国人密集地域で中国人に共産党脱退を勧める黄暁敏氏
黄曉敏(38) 氏は現役時代中国水泳界の「五輪の金花」の一人と呼ばれた。1988年のソウルオリンピックで中国歴史上初のオリンピックメダルを獲得した選手だったのだ。1986 年のアジア大会と1988年のオリンピックのために韓国を行き来するごとに、親切な韓国人ときれいな韓国の町並みに魅了された。このことがきっかけになり、1995年に彼女は明智大社会体育学科に留学した。中国で出会った韓国人男性と韓国で再会し、98年に結婚した。大学卒業、彼女はいくつかの体育会と学校で水泳コーチを務めている。そして時間が許す限り、中国人がたくさん集まる地域に出かけ、共産党脱退署名を集めている。 ドキュメンタリー「証言」は彼女のこのような平凡な日常をカメラに収めた。
公に出ると、顔を知られることはありませんか。
若い年代は私をあまり知らないが、少々年を召した方であれば、私を知っている方は結構多い。私が脱退を勧めるようになった経緯をパネルで展示している。そのパネルの文章を読んでいて嘘だと思っている人もかなりいるようで、私が現われるとみんな驚く。 嘘だったと思ったのに本当だったのかという感じで、みな驚く。
ドキュメンタリー撮影を決めた時はどうでしたか。
負担は感じなかった。逆にうれしかった。 私が町に出て中国人に共産党脱退を勧めるわけをもっと多くの中国人に理解してもらいたいという願望もあるので、映画撮影によって共産党脱退に役立つことができればうれしい。

1988年ソウル五輪で中国水泳史上初メダルを獲得し、中国の英雄として称えられた黄曉敏氏。
共産党に入党した特別な理由はあるのですか。
18歳になると共産党に入党することができるが、私がオリンピックでメダルを取った時ちょうど 18歳だった。その当時は水泳ばかりしていたので、共産党に関心もなかったが、母親に急かされたこともあったし、共産党も私のメダル獲得を共産党の政治宣伝に利用したかったので、私を入党させようと力を入れていた。それで私はいわゆる 「スピード入党」をしたのである。 2004年大紀元時報が発表した「九評共産党」を呼んで、大変ショックを受け、共産党から脱退することを決心した。
競技のため外国に出た時や、今韓国に住みながら見る中国の姿はどうですか。
1989年 6月4日天安門民主化運動が起きた時、私は試合に参加するためモロッコにいた。当時ニュースでは天安門広場の情景がずっと放送されていたが、それを見た私は本当に中国に帰りたくなかった。 試合が終わり中国に帰った時、共産党は「暴動は収まった」、「学生は一人も死んでいない」などの偽りの宣伝をしていた。あの時から少しずつ共産党に対して考え方が変わってきた。
今韓国に住んでいる私から中国を見ると、まるで巨大な城を見ているようだ。高い塀で国民を囲い、外部の情報を遮断し、共産党の一辺倒の宣伝のみが注ぎ込まれる。今回の毒ミルク事件についても、私は本当に共産党が早く滅びたらいいのにと思った。何の罪のない幼い命が犠牲になり、本当に気の毒だと思う。 そして中国に住む人たちがこのような真相が分かったら良いと思っている。

中国の水泳スター黄曉敏氏の韓国での生活を記録したドキュメンタリー「証言」(権ソンヨプ監督提供)
ドキュメンタリー「証言」の権ソンヨプ監督
大林洞路地の入り口で固唾をのんで黄曉敏氏の日常を追った権ソングヨブ監督(40)。淡々と世の中をカメラに収める権監督には平凡ではない履歴がある。 1990年代韓国でミュージックビデオが旋風を巻き起こしていた時代、彼はまさにそのブームを引き起こした第一世代ミュージックビデオ監督だったのだ。キム・ウォンジュン、ソン・ジヌ、消防車などの90年代の半ばから後半の韓国国内有名歌手のミュージックビデオ 百数本を手がけたのだ。 以後 4年余り、韓国国内主要放送局で奥地体験ドキュメンタリーを専門的に製作。今回の神州国際映画祭をきっかけにドキュメンタリー映画監督に生まれかわった。
黄曉敏選手との出会いのきっかけはなんですか。
人権に関する素材を検索中、大紀元時報に紹介された黄曉敏選手の記事を偶然目にした。 世界的な水泳スターが韓国に定住していること、そして中国水泳界の「 五輪の金花」と呼ばれた彼女が共産党組職を脱退した点に惹かれた。
特に、黄曉敏氏が人権を無視して開催された北京オリンピックに抗議した「人権聖火」市民運動の韓国大使を務めたことがドキュメンタリー映画の素材としては非常に良かった。

ドキュメンタリー「証言」で水泳を指導する黄曉敏氏(権ソンヨブ監督提供)
映画の具体的な内容について紹介してください。
黄曉敏選手にとって水泳はまさに人生の師匠のような存在である。水泳を通じて努力することの本当の意味を悟り、自身の潜在能力を開発する過程を悟ったと言う。黄曉敏さんが首席コーチを勤めるある小学校での水泳指導の画面もカメラに収めた。そして1989年の天安門事件の民主化運動からわかった中共の二重の欺瞞性を言い表す証言と、韓国に定住後脱党を勧める場面もある。黄曉敏選手の休日に中国人密集地域で脱党を勧める姿も控えめにカメラに収めた。 不法滞在者が多い地域ではカメラに敏感なので、そこも気にしながら映画製作に取り組んだ。
派手なイメージがあるミュージックビデオと、現実を描くドキュメンタリー映画の合体作として期待したいですね。
事実上ドキュメンタリーとミュージックビデオは相容れないものである。ドキュメンタリーに充実すると、映像美学が疎かになることは避けられない。映像美学に重点を置くとメッセージが正確に伝わらないし、リアリティーにも欠ける。それでもこの二つの領域で長年培ってきた経験と技術を土台にして、「証言」ではドキュメンタリーのリアリティーとミュージックビデオの映像美を適切に結合しようと努力した。結果判断は観客にお任せする。
この頃は独特で面白いドキュメンタリーがたくさん出ていますが、 ドキュメンタリー監督としては、どう思われますか。
撮影過程の難度でその作品の価値を評価するのがこの頃の傾向である。しかしその撮影過程がいくら難しいとはいえ、撮影素材が持った価値より優先されるべきではないと思う。最も高潔な素材を選んで、その価値をありのまま伝えることこそ、映画製作上の真の価値をはかる尺度と思う。
神洲映画製作所 http://www.shenzhoufilm.com/sz/jp/2008/11/28/a100054.html 2008-11-28 21:28


