神韵晚会 http://shenyun.us

GoodSearch: You Search...We Give!
トップページ > 映画評論
> 欧米映画評論 >

未知の土地――カサブランカ      
作者:紫安

アメリカの1942年の『カサブランカ(CASABLANCA)』は古いモノクロ映画で、『北アフリカのスパイ』とも訳されているが、この映画はマイケル・カーティスの監督で、プロデューサーはワリスである。ニュースの割付スタイルの地図で始まり、明らかな模型の飛行機、描かれた青空と白い雲…これらは完全に映画製作所で撮影された作品である。

映画のメイン・ストーリーの起こったカサブランカは、ロケーション撮影されたものが1つもなく、全部映画製作所のスタジオで撮影されたものである。虚構の車の走っている背景、映画製作所のスタッフがきれいに掃除した床、市場ではちゃんとアイロンをかけた服を着ている一般の大衆出演者等…。当時、この映画撮影開始がずるずる伸びてしまったために(脚本を書き直した時は丁度ドイツ軍が欧州で勢力を振るっていた時期なので、この映画はより強い政治性を持つように要求された。)特に多くの出演者のスケジュールにも影響が出る情況の下で、監督はこれ以上の不都合を避けるために、再遅延は不可能と考え、即刻撮影開始を決定した。

十分な準備ができていない状況下でも、プロデューサーのできるだけ経費を削減せよという要求があっても、映画撮影の進行が非常にハードであっても、この映画はストーリーの発展に従って撮影され、風景の配置担当者と道具担当者は1つのシーンの撮影が終わると、すぐ次の場面の準備をし、翌日の撮影背景を作らなければならない。監督であるマイケル・カーティスと彼の強力な撮影チームと素晴らしい出演者の陣容は時間の経過に衰える事のない不朽の名画を創り出したのだ。例えば、一風変わった閉鎖されたセットの中で、照明担当者であるエプスアインが非常に上手にサーチライトを使い、女主人公・イルザが初めて男性主人公・リックに話しかける重要な場面で、イルザは一条の明るい光と共に現れる。彼女が大事な台詞をいう時には、いつも後に明るいサーチライトがよぎった。リックが困惑した時、その光はいつも消えて暗くなった。いつ暗く、いつ明るくなるかは、時間の経過によるのではなく、人物のダイアローグ、事態の展開及びその心理活動によって決められたのである。あのサーチライトはまさに映画全体の行方を暗示する重要な役割を果たしていると言える。

このように閉じられた空間の人工的に作られた雰囲気の中で、未知の所・北アフリカのカサブランカで起こったこの物語は、未知のはるか遠方の地のかつ故郷をを離れた所での索漠たる感覚を増幅し、観客は知らぬ間に我が身を知らぬ土地におき、劇中人物の心情に更に近づくことになるのである。映画の最後の「ルイス、これは偉大な友誼の始まりだと思います。」という古びる事のない台詞は素晴らしい幕切れとなった。虚構の世界は終り、真実の世界が始まる。これで、観客はまた現実に戻るのである。

『カサブランカ』は、第16回アカデミー賞の作品賞、監督賞と脚色賞を受賞した。
神洲映画製作所 http://www.shenzhoufilm.com/sz/jp/2009/12/21/a100146.html 2009-12-21 23:03

感想発表






* 書き込まれた内容は投稿者個人の感想であり、神洲サイトの意見を代表するものではありません。